夏をあきらめて

 デッキ1年の竹田です。 

 いやあ、終わっちゃいましたね、夏。

 結局コロナで墓参りも出来なかったし、ふるさとの大きなお祭りもありませんでした。明らかに例年と違う夏なので、僕の中の体内カレンダーみたいなのがちょっと狂っている感覚がありますね。

 でも今年は、小林くんや山形くんと一緒に、練習船「海王丸」で2週間の乗船実習をすることができました!はじめは緊急事態宣言再延長などあって一時はどうなることかと思いましたが、なんとか無事実習を終えられることができたので良かったです。

 実習生最大の敵は、やはり船酔いでした。

 乗り込んで1週間ほどしてから、仮泊していた神戸沖から小豆島まで短い航海がありました。抜錨から再び錨を入れるまでだいたい6時間くらいだったのですが、明石海峡を過ぎてから海が荒れること荒れること。折からのUターン台風の影響もあり、船はすさまじく揺れました。その揺れっぷりは先任航海士をして「こんなに揺れる瀬戸内ははじめてだ」と言わしめるほど。

 むろんこの揺れは我々実習生にとって、脅威以外の何物でもありません。

 航海の最初は和やかに談笑していたはずのある友人は、西へ進むにつれ顔から少しづつ色が失われてゆき、ついには話しかけても一言もしゃべることなく、どこか遠くの一点を見つめるだけになっていました。そのとき辺りを見渡せば、まわりの実習生ほぼみんなグロッキー状態。全員顔面蒼白として、歩き方さえぎこちなく、酔い止めのガムか何かを一心に噛み続けている者もいれば、机に突っ伏したきり動かなくなった者など。僕と同じ班の友達は、ことに悲惨でした。彼は乗り物酔いがしやすいので、朝から満を持して船酔いの薬を服用していましたが、効き目は薄かったらしく、揺れ始めるやいなや生あくびをはじめ、それきり一切口がきけなくなりました。そんな彼が息も絶え絶えに残した「まるで生き地獄じゃないか・・・」という言葉が強く印象に残っています。

 あ、小林くんや山形くんは元気そうでした。一緒に甲板でトレーニングなどして汗を流しましたが、やっぱり海は綺麗ですね。曇りの日が続いたので、満天の星など見ることができなかったのが残念でした。

 さて、他の人のブログにもありましたように、もう少し自宅トレーニング期間が続きます。

 先週僕は一度目のワクチン接種を受けたのですが、副反応がなかなかきつかったです。今は収まったので、走り込みをやって乗船実習で落ちた体力を早く取り戻さねば。

 

 最後かけ足になりましたが、僕の夏はこんな感じでした。

 

 そういえば、今年は一度もひぐらしの鳴くのを聞いていません。故郷石川では7月末から鳴き始める無粋な連中でしたが、こっちは都会なので生息していないのかもしれませんね。

 鳴き声を聞けば切なくなりますが、鳴き声を聞かなくても寂しくなります。

 

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