お世話になっております。環境4年の丸山です。引退ブログが大変遅くなり申し訳ありません。艇庫にはまだいる*¹のですが、一度9月で引退させていただきました。
9月をもって現役部員は2名となり、活動方針を転換し、日本一を目指すチームではなくなりましたが、上級生とともに自分たちのできる範囲で活動をつづけてもらっています。
今までの活動方針とは異なりますが、少人数体制ゆえですので、今後とも見守っていただけますと幸いです。
さて、なぜ私がボート部に入ったのかというと、けして日本一を目指したいとかアスリートになりたいという大層な理由があったわけではなく、艇庫の雰囲気が良かったからです。何も考えていなかったと言っても良いでしょう。合宿があるとも知らず、朝4時に起きることも知らずに入りました。
入ってから2月までは漕手として活動していました。湯本さんとダブルで24km漕いだこと、ちかさんの逞しい背中を見ながら必死でついていったこと、新見さんにノンフェザーでブレード1枚を教え込まれたこと…。この時期に他にもたくさんの先輩と艇に乗った経験が、今も生きていると思います。今考えれば50kgのデッドウェイトと一緒に乗ってくれていた先輩や同期には感謝しかありません。
COXとして試合に出たのは2023年のお花見レガッタが初めてでした。COXのコの字も分からず、終始ほぼ無言で舵だけ切っていました。それもニコニコで。ボートってこんなに速いんだととても楽しかったのを覚えています。今考えれば終始無言とか殴られても文句言えないですが(笑)、人生で一番楽しかったレースです。
次が五大学レガッタです。海洋単体として出した最初で最後のエイトです。オペレーションが下手で、何周目か分からなくなり、適当にやっていたら湯本さんに怒鳴られ、その後の半周は頭が真っ白になり泣きかけました。五大エイトについてはこの出来事しか思い出せないくらい強烈な思い出です。
その後はほとんどレースに出ず、ずっと伴チャでした。他大の付き艇に乗るCOXが死ぬほど羨ましかったですが、コーチの中上さんからボートの見方、極意、人生など熱いお話を聞けて、艇に乗っていない時間が逆に有意義だったと感じています。
次にエイトに乗ったのは2024年の全日本選手権の女子エイトでした。筑波と外語との混成で練習回数は少なかったのですが、みんな真剣に取り組んでくれました。
ただ自分の舵は本当にお粗末で、余裕がなさすぎて周りが見えていませんでした。スタートで横風のなかレーン侵害し、絶望しました。選手を不安にさせて何がコックスだと思いました。最終日は少し修正できましたが、相手が見えて差が縮まっているのに最後差せずに終わりました。
「もっと早く仕掛けていれば賞状はあった」と言われた時、悔しさと虚無感が押し寄せました。
最後が2025年のオッ盾です。千葉大・青学との混成で、一年生が4人かつ上級生もスイープ初心者でした。最初はバランスすら取れず、本当にレースに出られるのか不安でしたが、中上さんのコーチングにより自分も漕手も短期間で急成長しました。初日のレースでは想定より艇速が出て驚き、敗者復活で一着を取れた時は心からうれしかったです。
でも、アタック頼りになったり、選手への個別のアプローチが少なかったり、水を飲みすぎてめちゃくちゃトイレに行きたくなったり反省も多く残りました。
読んでもらえばわかるように、僕はメダルはおろか賞状も取ったことがないポンコツなCOXです。でも、できない自分を認め、できるまでやろうとする気持ち、強くなりたいという気持ちだけは、人一倍持っていると思います。折れても立ち上がり、泥臭く努力していくことで勝てるコックスに、強いコックスになりたいと思っています。
そして、私にはCOXとは別に“サポートとしてのもう一つのボート人生がありました。
部員の伴チャに始まり、U23日本代表になった新見さんのサポート、日本代表チームの学生マネージャーとしてチームジャパンに関わりました。
新見さんのストイックさ、負けず嫌い、努力の積み重ねを間近で見て、支える側も一流でなければならない、そう思って行動してきました。

特に関東ブロックや国スポに連れて行ってもらったことは大きな経験でした。そこで痛感したのは、本気の人間が集まる環境のすごさです。社会人チームと行動を共にしレベルの高いチームを見たことで自分の視野が広がった気がします。学生チームは、ボートだけに向き合えばいいというわけではありません。OB・OGの方々とのつながりや、学生同士の関係、学業や生活など、競技以外のことにも多くの時間と労力を割いてきました。そのぶん、思うようにボートだけに集中できない時期もありました。だからこそ、社会人チームの、選手が競技に集中できる環境を、周りのサポートチームや会社がしっかり支えていて、“ボートに打ち込むための場所”がきちんと整えられていることが、本当に素晴らしいと感じました。
このような経験もあり、またCOXとして知識を積むために日本代表コーチのコーチングを身近に学びたいと考え学生マネージャーに応募しました。
日本代表チームでは選手の日々の練習の取り組み方から代表であるという自負と覚悟を感じる機会がおおくあり、勝負の世界に身を置く人々特有のとがり、勝ちへの欲望を感じました。あまりにも自分から遠すぎる存在だと思いましたが、一歩ずつでもいいから近づきたいと強く思っています。そしていつか選手として日本代表チームに入りたいです。
競技の話ばかりになってしまいましたが、ボート部の生活は本当に楽しかったです。自分を育ててくれたコーチや先輩方には感謝しかありません。最初に受け入れて育ててくださったコーチ・先輩がいたからこそ、ここまで自由にやることができました。
海洋大の、こじんまりとしていながら“やるときはやる”雰囲気は自分に合っていたとおもいます。
コロナを乗り越えて引き継いでくださった環境を、自分の代で十分に続けられなかったことは申し訳なく思いますが、卒業後もできる限りサポートしていきたいと思っています。
そして勝てなかった悔しさも、強さへの憧れも、すべてこれからの原動力にし、次のステージでも前に進み続けます。
長い間、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
*¹ 近況報告
最近は東京大学の練習に参加させていただいています。エイトや付きフォアに乗せてもらい、他のCOXと学び合える環境が刺激になっています。エイトは分からないことだらけですが、教えてもらいながら腕を磨きたいと思います。




























