宇宙は嫌いな村田です。
先月末、日本からロケット発射実験がありましたね。
インターステラテクノロジズの『MOMO』のことです。世界一安価なロケットを目指しており、まだ実験段階ではありますが、これからが期待です。
なんといっても、民間であり、液体燃料というのがたまらないですね。アメリカのように日本の民間ロケット開発はあまり聞きませんし、中でも液体燃料は固体燃料よりも難しいということもあって、まだまだ難しいだろうなと思ってました。
それが今回、緊急停止したものの66秒間の飛行をしてくれました。感動です。
以下、思った以上に筆が乗ってしまったので、見ない方がいいです。
ロケットといえば、H-3ロケットの話も時々ニュースに入ってきますね。国産で液体燃料のロケットであるHシリーズの最新版で、2020年に打ち上げ実験するらしいです。
日本の液体燃料ロケットは比較的最近、全段国産になりました。有名なH-2ロケットです。これを低コストで実現したH-2Aロケットは信頼性も高く、国際市場でも勝負できる値段のものです。そんな国産ロケット第一号ともいうべきH-2ロケットができたのが1994年なので、まだ、30年も経ってません。(ちなみに、H-1ロケットは一段目が国産ではないのですが、8割は国産です。)
実は日本はHシリーズの前、Nシリーズ(アメリカのエンジンを使っている液体燃料ロケット)を作るまで、固体燃料のロケットばっかり作ってました。固体燃料は配管が少なく済んだり、混合などのための機器がなくなる分、技術的には楽なのですが、液体燃料よりもロケットが高温高圧に耐えるようにしないといけないので、重くなります。そのため、大型ロケット用には向かないのです。
固体燃料によるロケット開発打ち上げは糸川さんが戦後くらいにやり始めてから、2006年ごろまで行われていました。はやぶさなどを打ち上げたミューシリーズが最後です。まぁ、廃止した次の年に固体燃料のイプシロンロケット開発が始まったんですけどね。今年も2,3回打ち上げられます。
ようやく固体燃料から液体燃料になるわけですが、日本は他国から大きく後れをととってました。固体燃料のミューシリーズは世界トップクラスのロケットでしたが、液体燃料となると、アメリカのデルタロケットから技術を供与してもらうしかありませんでした。そもそもロケット開発が盛んになったのは、ドイツのV2ロケットからなのですが、これがそもそも液体燃料です。ドイツが敗戦した際、このV2ロケットの部品や技術、技術者がアメリカやソ連にいった結果、冷戦時代のあの盛んな宇宙開発合戦が繰り広げられ、今日まで宇宙開発のトップを走っているのです。
そんな不利な状況であった日本が、液体燃料で全段国産のH-2Aロケットを低コストで作り、国際市場で勝負できるようになったときの感動は計り知れません。
中国やインド、ウクライナ、アメリカ、ロシアのロケットはH-2Aよりも安いです。そんな国際市場に負けないよう、H-3ロケットではさらなるコストダウンと高い信頼性、素早い打ち上げ期間を得ることによって勝負にでようとしているのです。
忘れてましたが、こうのとりを乗っけたH-2BロケットはH-2Aの強化版です。こうのとりミッションとH-2Aロケットより重いもの担当です。
今後とも、末永く見守っていきたいですね。ちなみに宇宙は怖いので嫌いです。